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娘とともに自分を見失いがち。
まだ結婚する前からちょくちょく夫さんは、私が妊娠したり出産する夢を見ると言っていた。
「ぬまぶが、出産するのに立ち合ったんだ。
結局、産まれてきたのはネコ(もしくはカエル)だったんだけど、
ああ、とうとうぬまぶも母になったんだと感動したなー」
などと寝起きのもやもや頭で感慨深げに話しているもんだから、
てっきり、現実でも出産に立ちあいたいのだとばっかり思っていた。
(なんで私が産むのがネコとかカエルとか人間じゃないものなんだ、
という問題については話がややこしくなるのでほっときます)
しかし、実際に立ち合うか立ち合わないか決定する局面に来て
今一度、尋ねてみると
「うん、立ち合うョ」
と天才バカボン顔で坊っちゃん風にうなずく夫さんの態度には、
なんだか不透明な部分がある、と私は思った。
「立ちあいたいの?」
「うーん・・・でも、その方がぬまぶもいいでしょ」
「そうじゃなくて、コバヤ(夫の名)の意思、欲望として立ちあいたいかどうかだよ」
「そうねえー?」
表情は変わらないもののなんだかのらりくらりしている。
ゆ・ら・い・で・い・る・の・か?!と不審に思ったので
去年アカゴの産まれた知り合いの超子煩悩な居酒屋店主にどうだったか聞いたらば
「そんなん(分娩室なんか)男の行く場所じゃない」
という酷くシンプルな答えがかえってきた。
えーっそうなのか。
もし私が男性だったら絶対立ちあいたいと思うだろうと想像し、
当然男の人もお産に参加したいものだとばかり思っていたので、驚いて
今度はインターネットの某掲示板で「立ちあい出産経験した男性のスレッド」を覗いてみた。
すると、
確かに「素晴らしい経験だった。立ちあって良かった」という信憑性のある意見も
3割位あるにはあるのだが、
「妻の前では「感動した」と言ってるけど
実は何がどうって経験でもなかった。男同士では話題にも上らない」
という意見がわりと目についた。全体の6割くらいはこんな意見だという印象をうけただ。
へええー、だ。
私はアホみたいに、夫婦で力を合わせて出産という一大イベントを乗り越えて
「親の自覚」に達する、というスゴロクみたいな台本を思い描いていたのだが
一つの経験に対する人間の感受性が多様なのはあたりまえか。
やっぱり頭お花畑妊婦なんだな。
戦争を経験した世代の話を聞いていても
ある意味教科書通りに、戦争の悲惨さを正面から説いてトラウマや平和を主張する人もいれば
ものすごい事を体験しているのに本当にサラっと興味のなさそうな人もいるしな。
で
先日
帰宅がひとりで遅くなってしまい
妊婦が夜道をふらふらするのも危険なので駅からタクシーを利用した。
休日なのに割と混んでいた電車で人に揉まれた後だったので
私のぶわぶわしたお腹を見て
「あらー、おめでたですかー。良かったですねえー。」
と優しい言葉をかけてくれた運転手さんにぬまぶはほっとしてつい心を許した。
「初めてのお子さんですか?いやあ、子供はいいですよー」
と言われて
エヘヘ、アハハそうなんですー。なかなか出来なかったんスけど
はずみで授かって夫もよろこんでるんですー。などと積極的に会話していた。
それで、今日はー、夫のライブに行ってきたんですよー、あっ夫は音楽やってるんですけどー
出産したらなかなか行けなくなるしー、などといらんことまでしゃべっていた。
優しいおじいさん声で
「じゃあ、産まれてくるお子さんも才能がある子かもしれないですねえー」
なんて言われれば
いやあ、天才ならいいんですけど、中途半端に芸術や文学にかぶれると不幸になるから、
あんまり音楽や文学にはふれさせたくないんですー
とかさらに適当なことを調子に乗ってしゃべるわたし。
「いや、本当に子供はいいですよ。子供がいるからアタシも頑張ろうって思うしねー」
「あらー、お孫さんいらっしゃるんですか?」
「いや、孫はまだですけどね。いつが予定日ですか」
「いやあ、あと1ヶ月半で産まれる予定なんですけど
ビビってしまって。一人で産むのは怖いので
夫さんの仕事の都合が立ちあいにあえばいいんですが。」
と言ったとたんに
ふと、車中に奇妙な沈黙が訪れた。
あれ?と思ったがちょうど家の前についたことだし、
お金払おうと思ってメーターを覗いたら
運転手さんはゆっくりと振り返り、低い声で言った。
「・・・インポになりますよ。」
「・・・・・・。」
帽子の下から覗く髪は総白髪だったし、ずっとほのぼのしたこと言っていたから
おじいさんだと思っていたのに振り返った彼は意外に若く、50に手が届くかといった雰囲気で
白木みのるのような顔をしていた。見開いた、充血した目をぬまぶは怖ヒと思った。
「・・・・あなた、これは余計なお世話かと思いますが
人間の出産てものはねえ、ウマやウシとは違う」
「はあ・・・。」
「血も信じられないくらい沢山でるしねえ、
胎盤なんて!あなた胎盤見たことありますか。
あんなもの!6キロはあるかな(注・胎盤は6キロもありません)
こんなですよ!(と手を広げる)
特にあなたのだんなさんは音楽をやってるような繊細な人でしょう。
あんな恐ろしい経験に
耐えられる訳が無い!」
「・・・立ちあい、なさったんですか?」
「立ちあいどころか!
アタシがとり上げたんですよ。アタシが!家で!病院に間に合わなくてね!」
それからはすっかり彼の独壇場で
ぬまぶは延々、彼の家のダイニングの
アカゴがズルズル出てくる血の海の、白熱の、スプラっター話を聞かされた。
というか、もうとっくに家の前についてるんだが、
20分以上そんな話していていいのですか?個人タクシーじゃないみたいだけど、
業務中なんじゃ・・・。
ぬまぶはだんだん不安になったので
「うーん、うちも二人は子供欲しいのでそれは困りますね。
もう一度考え直してみます」
と途中でムリヤリ割り込んで言ったら
「そうそう、そうした方がいいですよ」
と言ってやっとお金を受け取って開放してくれた。
そこまでして彼が伝えようとしてくれた事は何だったのだろうか。
結局、彼はインポテンツになってしまったということなのだろうか(それは聞けなかった)。
やっぱりゼムール氏の言うことは正しいという事だったのだろうか。
謎が謎を呼ぶ夜だった。
でも、やっぱり怖いからぬまぶは夫さんに立ちあいしてもらいたいとまだ思っている。
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夫に出産に立ち会いたいか聞いてみたら、「もちろん!」と言っていたよ。でも血だめなんだけどね。友達の旦那さんなんて、胎盤の写真撮ってる人までいたけどね。
やはりこれは個人差&文化差かな。
うん。昔から多いと思う。特に妊娠してからは「妊婦も歩けば棒にあたる」状態で奇人にかまわれる。楽しい日々です。
>夫に出産に立ち会いたいか聞いてみたら、「もちろん!」と言っていたよ。でも血だめなんだけどね。友達の旦那さんなんて、胎盤の写真撮ってる人までいたけどね。
やー、胎盤はどうだろうね。日本でも一部地方では産後の肥立ちがいいといって刺身醤油で食べたりするらしいけど、写真で見る限りちょっと自分でも怖いなあー。
>やはりこれは個人差&文化差かな。
まんざあ君は立ち合いとかいかにもとくいそうだよね。動じなさそう。愛情も深まりそう。コバヤ君はどうなのかイマイチ読めないんだよねー。
出産シーンみるとインポになりますよ、かー。
びっくりするね。
よぶやんも元気でやってますか?いつ帰ってくるんだっけか。
そうなのら。こんなブログを一人でめそめそやってたんら。
>
>出産シーンみるとインポになりますよ、かー。
>びっくりするね。
>
うん。初対面の人からそんな
インパクトのある言葉を聞かせられるとは思わなんだ。
運転手さんはあくまで真面目だったけどね。
目に浮かぶようだわ。oh!no!さんとオイラー君は連帯するといいと思う。
>第二子以降は半分立ち合ってほしb「と思っていたけど、半分は確実に邪魔になっるだ漏斗思っていたなあ。
第一子は全然立会は視野に入れてなかったの?
まあ、でももんあやは一人でスッサンに臨んでいる姿が似合うような気もする(よい意味で。人知れず踏ん張っているのが似合うというか、男装して『柔』うたっている美空ひばりというか・・・上手く言えなくてスマヌ)