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6年ほど前、妊娠ブログを適当に書き散らしていたぬまぶんが、 その後、育児の傍ら制帽学校に通い帽子屋修行を始めたその後の日々です。
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ぬまぶん
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東京都内に住む30代かあちゃん。
娘とともに自分を見失いがち。
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≪出産記 その3≫

yukunopupupu.jpg    
おかあとおとうが
あんまりあたいを
「うんちとばし」とか「おなら姫」とか「黄金製造機」とか
ひつれいな名前で呼ぶもんだから、便秘になってやったわ。
そしたら二人ともおたおたしちゃって、
おとうは仕事先からも
出たか確認の電話するしまつ。
可哀そうだから今日出してやったら
やった、やったと喜んでたわ。
他愛ないもんね。ぷぷぷぷぷぷぷ。

★7月7日 午后

おっ母と話したり、睡眠をとったりしているうちに
時計の針だけはどんどん進むものの
なかなか子宮口は開かず。
内診のたびに、「さて、どれくらい開いたかな?!」
と期待するも、入院時の4センチ前後から一向に進行しない。
しかし痛みは確実に強くなっていて、
ただ横になっているのには耐えられなくなり
ベッドの上に四つん這いになったり
椅子に後ろ向きに座ってみたりしてひたすらやりすごす。
波がやってきて「フーッ」とぬまぶが呼吸法を始めるたびに、
ぬまぶおっ母が傍らのソファからすかさずガバッと
立ち上がり、腰をさすったり、ツボを押したりしてくれる。
すると大変楽になるのだ。
入院する前日、おっ母から様子を聞く電話がきたとき
「あっ、別に来てくんなくてもいいよー、大丈夫。産まれたら連絡するからそん時来てヨ。
まっ夫婦でがんばるからさぁー」
なんて格好つけて余裕をみせてみていたぬまぶは、自分を恥じた。
そしてその後、おっ母が居なかったら乗り切れなかったんじゃないかと思うほど
根性無しのぬまぶは追い詰められていくのである。

で、あっという間に日が暮れて夜。
夕飯が出るもののほとんど食べられず、キャラメルだけをちびちびなめていた。
精神も疲弊してきて、痛みの間のおっ母との会話も無くなる。
しかし夜9時を過ぎても子宮口はうんともすんとも言わないのだ。
しようがないので、ぬまぶはひたすら
パチンコ台がフィーバーしているところとか
くす玉が開いて鳩が出てくるところ、ダム決壊の場面とかを
必死にイメージ・トレーニングしていた。
するとふいに
隣の分娩室から
「ぁああ~!ああああぁあ~!腰がぁ゛~!!」
という世にも恐ろしい悲鳴が・・・。
「お隣さん、もう産まれるわねー」
おっ母も助産師さんも平然としているが
その叫び声の恐ろしいことといったら・・・。
やがて追いかけるようにしてホェホェーと
産声らしきものがあがり叫び声も止んだ。
良かったね、と思うやら怖いやら、
先に終わってうらやましいやらで
気がつけばぬまぶは「うっうっうっ」と涙を流していた。
「あらっヤダ、ぬまぶ、泣いてるの?可笑しな子ねぇー。
オホホホ(ぬまぶオッ母は本当にこうやって笑う)、
ちょっと、この子泣いてるんですよ」おっ母の笑い声を聞きながらもぬまぶは真剣だった。
nakunumabu.jpg






自分もあと数時間後にはあのような声を出すのだろうか?
大人になって以来「痛み」に大声で叫ぶことなんてほとんど無かったのだ。
「ベルサイユのばら」のアントワネット出産のシーンには
黒ベタバックに「キャアアアアアアア」という絶叫が白抜きでチギレルように描かれていたが
ぬまぶは一体どんな風に叫ぶというのだろう?
ギャアアアア!だろうか、ヒャー!だろうか、勘弁してー!だろうか・・・?
そんな瞬間が来るというのがこの時点ではまだ信じられないのだった(まだ余裕があったということだね)。

★7月7日 午後10時すぎ

どうにも膠着状態の身体を温めて気血の流れを変える為、病院の風呂に入浴。
すると劇的にお産が「進み」出した。
すなわち、陣痛がさらに長く先鋭化し、
分娩監視装置の表示する曲線もぐわーんと大きく突き刺さる形に。
ぬまぶは俎板の上の鯉よろしくベッドの上でのたうちまわるようになる。
おっ母は傍らで
「おーおーおー、いい陣痛が来るようになったねえー。ぬまぶちゃん良かったわね。」
などと喜んでいる。
こ、これが「いい陣痛」なのか・・・
確かに子宮口は5センチから6センチに、6センチから7センチへと
開いてきたと聞けば嬉しいが
内臓がぶるぶる沸き立って口と肛門から勢いよく飛び出してくるような痛み。
じだじだと身をよじりながら
ぬまぶはただひたすら次の波が来るの恐怖するようになった。
ここで、助産師さんの指導でいきみ逃し用テニスボール登場。
規則的にイチ、ニ、サン、シ、ゴと波でやってくる痛みの
サン、とシの一番陣痛の勢いが強い時に肛門に思いっきり押し当てると、しのぎやすくなるのだ。
5分ごとに、助産師さん、ぬまぶおっ母がぬまぶの呼吸にあわせてテニスボールを
ギュッと押してくれる。
悪いなあ、大変だなあ、と思いつつ、ありがとうを言う余裕もなくなっていた。
そのうち、
目の前の「分娩監視装置」と書かれたラベルの文字が霞んでぶるぶる震え出したので
ぬまぶは息も絶え絶えに聞いた。
「お・・・お母さん・・・もう、このラベルの文字が霞んで見えるんだけど・・・
まだ産まれないのかなぁ・・・?」
「?」
「昔の・・・人は・・・障子の桟が霞んで・・・見えなくなったら産まれ時って言ってたんだよね・・え・・・」
「まぁー、何?おかしなことを言う娘ねえ。ホホホ」
明るくふるまってはいたものの、そんなこんなでもう朝の4時である。おっ母も疲労していたと思う。
ぬまぶもまた本当に陣痛に耐えるのが嫌になっていた。
様子を見に来た助産師さんに弱音を吐く。
「ゴールが見えないんですけど・・・一体いつになったら産まれるんですか・・・?」
うーん、と助産師さんは困った顔をしていたがはっきりと
「やっとお産が進みだしたのが10時だから、そこからを普通の「分娩」と考えて
明日のお昼までに生まれれば、御の字。」と答えた。
目の前が暗くなるぬまぶ。
どうしたら良いのやら分からず
なにもかも嫌になり
とにかく一人になりたくもあり
なかば自棄になってそれまでは、「押してもらわないと死ぬ」とまで思っていた
テニスボール肛門押しを断り、おっ母さんにソファで仮眠をとってもらった。
それで痛みが来たら手元のテニスボールを取り、自分で自分の肛門を押しつつただ絶望していた。
「フー・・・ヴヴヴヴヴー」
思はず知らず喉が鳴る。
「ひさん」
だと思った。
この状況を悲惨と言わず何を悲惨と言うのだろう?
だんだん頭も混乱してきて
何故か罰を受けている気分になった。
・・・自分がこのような状況に陥っているのは
「子供がほしい」なんてだいそれた事を思ってセックスしたからだろうか?
だとしたらもう一生しません許してください、
とか
・・・10代のころ「生活に疲れた主婦」、とか「ヤンママ」とかを「ああなりたくはない」とか思っていた
バチがあたったのだろうか?
ああ、もう、この痛みに耐えた世の全てのお母さんを尊敬しますからもう辞めたい、許して下さい!
などと考えうる自分の罪を
一心に数え、どこかにいる神様に許しを請うていた。
とにかくそこには「痛っ・・・」しかなくて「痛い・・・!」が全てなのである。
さらに根性なしで甘ったれのぬまぶは

「誰かお腹切って出してくれないかな。」
とか「薬で出してくれないかな」
などと
かなり殺伐としたことを本気で願うようになっていた(恥)。

ふりかえるに
この時が精神的に一番つらい時でしたネ。

★出産記 その4にツヅク

 

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乙カレ~~
そうそう!
この時期が一番辛かった!!
陣痛あるのに寝かされたのよ!
睡眠薬で!!
もう産まれる段階ならば
なにやったっていいんだな~~と思った。
だけど、
寝られるわけ無いんだヨねえ。

つづきがたのしみですら。
マドモアゼルじろωみ 2008/09/03(Wed)02:59:37 編集
Re:乙カレ~~
睡眠薬!!
それは恐ろしい・・・守備よく眠れればいいけど、効かなかったら
倍疲れそう・・・ヒエー。
ちなみにこのときも、k山雄三は流れてたんですか?
2008/09/11 19:47
無題
そうそう!
この時期が一番辛かった!!
ってほんとに言いたくなる。
がんばったねえ・・と胸が込み上げる一方、ものすごく笑える。(申し訳ない)
私が産んだ産院は夜の付き添いいっさい駄目だったので、夜中くらい病室で帝王切開にしてくれぇぇと一人涙ぐんだな。
結局三人とも一人で産んで、夫の付き添いはない方が自分には良かったかもと思っていたけど、これ読んで母がいたらどうだっただろうかと思ってしまった。

つづきたのしみ。

赤ちゃんの便秘っておろおろするよね。oh!no!さんも電話してきてたな。
もんあや 2008/09/03(Wed)09:55:45 編集
Re:無題
>私が産んだ産院は夜の付き添いいっさい駄目だったので、夜中くらい病室で帝王切開にしてくれぇぇと一人涙ぐんだな。

あー、こういう情けないこと思うの私だけじゃなかったのネ。
さすがさっしぃ♥
痛みから逃れられるんなら、かっぱらいだって、ヌードだって、
なんだってやるわ、ワタシ、という気になるよネ。
2008/09/11 19:50
無題
なんだかひどくスサマジイわ…

昔友達のお母さんが、「出産は、線路の上に指を置いて、その上を電車が通る時の何百倍も痛い」とか、「下痢の3000倍痛い」とか言っていて、よくわかりませんでしたが、ぬまぶんのような表現力が無ければ、そのように表現するしか無かったのかも、と今思います。
KYM 2008/09/07(Sun)17:53:39 編集
Re:無題
>なんだかひどくスサマジイわ…
いや、別に経験のない人をいたづらに怖がらせようというわけでは
ないんだけど、確かに書いてるの読み直すとスサマジイね。でも単に私が
根性なしなだけだからさ。軽い人は軽いのよ。私はほら、騒ぎたがりだからさ。
>昔友達のお母さんが、「出産は、線路の上に指を置いて、その上を電車が通る時の何百倍も痛い」とか・・・

その友達のお母様は、暴走族出身で誰かとタイマンでも張っていらしたのでしょうか?ふつう、「線路」の上に「指」は置かないよねえ・・・例えて余計分からなくなる悪い比喩ですね。これは。
2008/09/11 19:53
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